アビエイター

サンタホテル

2007年02月18日 22:15

主人公ハワード・ヒューズを演じるのはレオナルド・ディカプリオ
「ギルバート・グレイプ」では天才とまで絶賛された名演技でしたが
映画界空前の大ヒット作「タイタニック」でスーパースターとなり、
以来レオ様の映画には裏切れてばかりでしたが、「アビエイター」では
かなりの熱演で感動、面白い、おすすめDVDです。

実在の人物ハワード・ヒューズは18歳の若さで莫大な財産を手に入れ
壮大な夢、映画と飛行機に全財産と情熱を注ぎ込み続けます。
完璧主義のハワードに1ミリの妥協も常識もなく、ハワードの言動・行動・
アイディアは異常そのものです。自らカメラを回し、監督をし、飛行機を
設計し操縦するハワードの奇才ぶりに、いつの間にか引き込まれていきます。

ハワードにとって夢は夢ではなく現実。
如何なる状況に追い込まれても諦めることを知らない。
自信に満ち溢れているハワードは異常なまでの潔癖症なのです。
外出先では必ずトイレに駆け込みポケットから石鹸箱を取り出し
躊躇いながら水道の蛇口にハンカチをかぶせ蛇口をひねる
丁寧に時間をかけゴシゴシゴシ・・・狂ったように手を洗う
出された料理やガラスコップの1点のくもりに「ギョッ!」と顔をしかめ
ガタガタ震えだすほどです。衛生観念うんぬんよりも潔癖症は強迫観念、
恐怖感が生じ不安の表れのように思えます。傷ついた心は、傷ついた年齢で
ストップしその場面はストーリーの途中で何度もフラッシュバックします。

映画では描かれてませんでしたが、ハワードの遺産は「ハワード・ヒューズ
医学研究所」が設立されました。ノーベル賞受賞者には「ハワード・ヒューズ
研究員」助成金を受けた学者もいます。現在でも年間六百億円の予算が
組まれていると言われています。

ハワードは映画からも航空界からも突然姿を消した20年間、70歳で死を
迎えるまでハワードを知る者は誰ひとりいません。
遺産を投じた「ハワード・ヒューズ医学研究所」への思いは何を意味する
のでしょうか?夢を追い続けることが、夢しか見えないことが唯一、
潔癖症(不安)を忘れさせてくれたのかもしれません。
しかし、世界一大きい夢さえも押しつぶしたハワードの不安は・・
「孤独」・・「淋しさ」?信頼がなければ、そこに愛はありません。
愛のない人生はひとりぽっちです。
ハワード・ヒューズはハワード・ヒューズ自身に苦しんでいたのでしょう。
不安は与えられるものではなく、自分の心が不安を大きくしているものです
そんな単純なことに気づいてません。

アメリカの歴史に残る「ハワード・ヒューズ」と聴けば
きっと、レオナルド・ディカプリオを思い出すでしょう
アカデミー賞には見放されたレオ様ですが、それも天才故の悲劇なのかも
しれませんね。この際、生涯無冠で終わり、映画史に残る作品を多く残し
「伝説の男」になってほしいものです。

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